「ミュウツーの逆襲」視聴。

あと数年後に15周年記念Blu-ray BOXが出る(かもしれない)のに、今更ポケモン映画10周年記念のBlu-ray BOXを買ってしまいました。
↓これ

PIKACHU THE MOVIE PREMIUM BOX 1998-2010 [Blu-ray]

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せっかくなので、全部観て、ざっとレビューでも書こうかなと思った次第。
というわけで、最初は1998年公開の「ミュウツーの逆襲」から。

あ、言うまでもなくネタバレ満載なのでご注意を。
メインメニューのビジュアルがとても綺麗。これだけでも「ああ、Blu-rayを観ているんだな」という気になる。

10分超の長いアバン。ミュウツーの出生、人類への逆襲へと至った経緯が描かれている。
最近のポケモン映画のパターンだと「ポケモン、それは~」→「主役のポケモンがちょろっと出る」→「タイトルロゴ」のパターンが多いから、ここまで長いアバンは新鮮。
ただ、情報を詰め込みたいがためか、急ぎ足になっている感がある。それでも、当時のポケモン映画を心待ちにしていた少年たちは、頭の中でストーリーを補完していったのだろう。
確か、シゲルのポケモンミュウツーが対峙していたワンカットは、アニメの方でも語られていたはず。

そしてタイトルロゴの後、舞台はいつものアニポケ調に。
そこにポケモン勝負を挑みに来る、ゲスト声優のトレーナー。そしてOPソング。
最近ではおなじみの演出だけど、歌だけでSEも技を指示する声もなく戦っている姿は当時、新鮮でした。
そしてそのOPが、いつもと同じようでキーが異なる「めざせポケモンマスター'98」。
このキーの違いが、「そうか、いつものアニポケとは違うんだな」という心構えをさせてくれます。

バトル終わって物語の「起」部分。「最強のポケモントレーナー」からの招待を受けたサトシたち。
そのシーンからいきなり港の船乗り場へぶつ切り場面転換。せっかく食事シーンの最中だったのだから、パンを一気にもぐもぐして、「さあ、そうと決まればさっそく行こうぜ!」みたいなシーンが欲しかったなあ。

それでなんやかんやあって嵐を半ば漂流するような形で目的の島にたどり着くサトシたち。
案内人を見て持ち前の美女識別能力で「行方不明になったジョーイさんですね」と指摘するタケシ。
いや、行方不明者見つけてその反応かよ!てかサトシとカスミもスルーするなよ!!
確かに本人も否定しているし、ここで騒ぐと本筋が乱れるんだろうけどさあ。

その後の展開にはあまり突っ込みどころはないかな。物語の盛り上がり部分。
強いて言うならミュウツーの感情に一貫性がないあたり?でもそれも逆襲というワードを考えればまあ合点はいく。

そしてミュウ登場。割とこいつ、煽りに来ただけなのではって思うぐらい行動と言動がひどい。
きまぐれって言葉で片付きそうだけど。

そして本物とコピーとの無意味な争いを止めるべく、サトシが二匹の攻撃に挟まれ石化する。
これ結局本物とコピーの涙によって復活するけど、その間のミュウツーの心変わりがよくわからない。
せっかくアバンでアイツーという存在を出したのだから、彼女の言葉をリフレインさせてもよかったのではないだろうか?
その辺は視聴者で脳内補完させろってことかな。いまひとつ説明不足感を感じる。

そしてミュウツーはコピーと共に旅立ち、彼らの記憶をなかったことにした。
「俺たち、なんでここにいるんだ?」に対するカスミの「いるんだからいるんでしょ」って言葉が一種のまとめか。

そしてやはりED曲の「風といっしょに」が染みる。

総論

「この最初の映画こそが至高、最近のポケモン映画は~」みたいな言葉をよく聞く。
確かに、「所詮子供が見るためのキッズ映画でしょ」というイメージをぶち壊したこの映画の功績は大きいし、次年からの映画の方向性も指し示したと思う。
しかしそれは、GB版ポケモンミュウツーの強さを体感し、アニメポケモンをブラウン管と2つの小さなスピーカーで毎週欠かさず観てきた僕らだったからこそ、最高に楽しめたのではないだろうか。
今単体で観ると、説明不足な部分や唐突な場面転換がいくつか見受けられる。
そこからは上映時間、もしくは納期の足りなさを感じる。
もしかしたら、この映画の続編的な位置づけである「ミュウツー!我ハココニ在リ」は、この映画で全力を出し切れなかったスタッフによる完全版なのかもしれない。
ともかくとして、この映画を評するときは、単体で評価することはしない方がよいのかもしれない。PIKACHU THE MOVIEを不倒のものとした、最初の傑作だ。